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2006.12.11

430と304

今日は高橋製作所で加工しているステンレスについて。


そもそもステンレスというのは
鉄をベースに、クロム・ニッケルなどを混ぜた合金で
クロムなどにより、表面に強い酸化皮膜(不動態皮膜)ができることで、
腐食に強い金属です。

ステンレス(stainless steel)は、錆びない金属ではなく
「錆びにくい」金属です。


よくお客様に、「430と304の違いって何?」
・・・・と言われます。

もの凄~く簡単に言うと、


430は磁石にくっついて、錆びにくい金属。
304は磁石にくっつかなくて、より錆びにくい金属・・・ということです。
↑この写真。左が430の#4で、右が304.のH.Lです。
表面仕上げこそ違いますが、見た目だけでは分かりません。
(材料によっては、裏面で違いが分かるものもあります。)


磁性のある鋼種は、主要添加元素がクロム(Cr)のみのもの。
磁性のない鋼種は、主要添加元素がクロム(Cr)とニッケル(Ni)です。

304に比べると430は、耐食性は劣りますが、熱膨張率が小さいことが利点です。

304は430に比べ、耐食性・耐熱性良好で、最も一般的に使用されています。
また、板、パイプ、アングル、丸棒など様々な形状の材料が造られています。
(430は種類が少ないです。)

・・・ですが、304は熱膨張率が大きいので、
溶接、切断、削る加工の際には、歪みとの闘いになります。

ステンレス(特に304)は、鉄(軟鋼)に比べ硬く靭性(ねばり)があるため、
切断や削り・曲げなどの加工に、機械のパワーや刃物の硬さなどが、より必要になります。


お客様に御見積りを出すと、8割型、「値段が高い!」と言われます。

ステンレス製品が高価になる理由は、材料費が鉄に比べ高いこと以外に、
歪みを少なくするための工夫や、切断や削るための工具の消耗の早さなど
この加工の難しさによる要因が大きくかかわっていることをご理解下さい。

先週も今週も「高い!!」・・・と言われ続けてます orz